リフォーム前提の中古マンション選びのポイントと注意点

公開日:

更新日:2023/09/27

カテゴリー: 不動産

中古マンションを購入して、好みの間取りや内装にリフォームする方が増えています。新築マンションを購入するより手頃な値段で、自分好みの住まいを手に入れやすいリフォームですが、物件選びを間違えると余分な費用がかかったり、理想通りにならないこともあります。今回はリフォーム前提で中古マンションを選ぶ際、チェックしたいポイントと注意点について見ていきましょう。

 

 

●工事できる部分・出来ない部分

 

マンションには「専有部分」と「共有部分」があり、リフォームで自由に変更できるのは専有部分だけです。専有部分とは部屋の中のことで、それ以外のエレベーターや階段、エントランスなど入居者全員が利用する部分は共有部分になり、勝手に工事することはできません。バルコニーや窓、玄関ドアも共有部分の扱いとなって工事が出来ない場合が多いです。マンションごとに共有部分の範囲や管理について規約が定められているので、可能な部分について確認するようにしましょう。

 

 

●リフォーム可能な構造

 

マンションの構造には、柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」と、柱や梁の代わりに「耐力壁」と呼ばれる分厚い鉄筋コンクリートの壁が使われた「壁式構造」の2種類があります。「壁式構造」は通常5階以下のマンションに採用されていることが多く、空間を面で支える構造のため壁を撤去して間取りの変更をするのは難しい場合が多いです。壁を取って広いリビングを作りたいなど、大きな間取りの変更を検討している場合は、構造の確認が必要になります。

 

 

●マンションの管理規約

 

管理規約によって専有部分であっても工事内容が制限される場合があります。たとえば床材の変更や躯体への穴あけ禁止などです。マンションでは床の遮音性が低いと上下階で騒音トラブルになる可能性があるので、「床材の変更禁止」(畳やカーペットからフローリングに出来ない)や、「フローリングにする場合の遮音性能は○等級以上」といった決まりが定められていることも多いです。また、隣の住戸との間の「戸境壁」やバルコニー側の壁など、建物全体を支える部分の壁は、耐久性低下の恐れがある穴あけやビスの打ち込みが禁止されているケースもあります。規約に触れないよう二重壁にするなどの工夫で対応できる場合もありますが、その分の費用が掛かります。

 

またキッチンやトイレ・お風呂や洗面所といった水回りの移動は、床下の排水管によって難しいこともあります。工事可能な排水管か、移動させた後に排水管の勾配が取れるかも重要になります。管理規約で水回りの移動が禁止されているマンションもあるので、専有部分であればOKと考えるのではなく、リフォームの細かな取り決めについても、事前に管理規約や管理組合にしっかり確認してください。

 

 

リフォーム前提で中古マンションを選ぶ際は、まずはリフォームに適した物件かどうか見極めることが大切です。とはいえ、リフォームを成功させるためには、他にも注意しておきたい点があります。

 

 

●予算や優先順位を決める

 

漠然とリフォーム前提で中古マンション探しをしていると、内見の時「この壁を取って広くすれば…」「和室をフローリングに変えたら…」「最新のシステムキッチンに入れ替えたら…」という視点で見てしまい、あれもこれもとなってしまいがちです。リフォーム費用というのは、かけようと思えばいくらでもお金をかけられるものなので、物件も含めた予算と優先順位を決めておかないと思うように進められなくなってしまいます。「水回りは絶対に新しくしたい」とか、「理想の間取りや雰囲気にこだわりたい」とか、優先したいことを決めてイメージを具体的にしながら、およその費用を調べてみましょう。一般的に最新のシステムキッチンやトイレなど、グレードの高い設備にこだわるとリフォーム費用は高くなります。予算内でどのようなリフォームをするか決めておくことで、マンション選びや内見時にチェックすべき点もより明確になりますし、内見でリフォーム業者に同行してもらって見積を取れば、具体的な検討もしやすくなります。

 

 

●リフォームで変えられないことにも目を向ける

 

リフォーム後、長く快適に暮らすことを考えると、リフォームで変えられない部分も大切です。利便性や周辺環境といった立地のほか、広さ、日当り、風通し、騒音がないか、など考えたい条件がたくさんあります。限られた予算の中で全ての条件を満たす物件は見つかりませんが、そうした部分にも目を向けて検討する必要がありますね。

 

また中古マンションの場合、建物の耐震性能や大規模修繕の有無も確認しておきたいところです。1981年6月に耐震基準が改正され、以降に建てられた建物は耐震性能が上がりました。1981年6月以前に建てられた築古マンションの購入を検討する際は、耐震補強されているのか確認しておきましょう。合わせて大規模修繕の有無についても確認してみてください。建物の外壁や配管、設備などの大規模修繕が適切なタイミングで行われていないマンションは、経年劣化によるトラブルの可能性が高くなります。
リフォームするから古くても安ければいいというのではなく、リスクを知った上で、しっかり確認して検討するようにしてください。

リフォーム前提の中古マンション選びのポイントと注意点についてお伝えしました。専門的な知識や経験がないと判断しづらい部分も多いので、ご自身でポイントや注意点を把握した上で、信頼できるプロの力を借りて進めるのがいいですね。当社でもリフォーム前提の物件探しをしっかりサポートしますので、お気軽にご相談いただき、ぜひご希望をお聞かせください。