「他にも検討している方がいるので早く申込を」に惑わされないで!

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カテゴリー: 不動産

マイホーム購入を検討して物件の見学をし始めると、案内してきた営業マンが「他に検討している方がいらっしゃいます」と言ってくる場合があります。見学しているお客様の様子から「興味がありそう」「気に入っていそう」という雰囲気がある時に、営業マンが使う常套句です。

そう言われると気に入っている分、余計に欲しくなり、なんだか気持ちも焦ってしまいますよね。

でも同じ時期に同じ物件を同じような熱量で検討している方がいることは、そうそうありません。「他にも検討している方」は、実際にいないことが多いのです。

ではなぜ、「他にも検討者がいる」と言うのでしょうか?
ひとつは一般的な営業のテクニックで、お客様が決断する最後の一押しのために、こうした言い回しを使うことはあると思います。それとは別に、焦らせるために「煽る」営業マンもいて、これには注意が必要です。

こうした営業マンは、他にも検討している方がいるので、とりあえず申込を入れないと先を越されてしまいます」「今、申込をすれば確実に押さえられます」と焦らせて申込書を書かせようとしてきます。

申込にはお金がかからないことも多く、キャンセルもできますから、煽られた勢いで「それならとりあえず書いておくか」と言われるまま、気軽な気持ちで申込する方もいるのですが、中には申込さえもらえば何とかなる、と考えている業者もいます。キャンセルすると営業マンが来て延々と説得され、最終的には買わされてしまうこともありえるのです。なんとか買わされずに済んだとしても、無駄な時間と労力がかかってしまいますよね。

 

申込書について少し詳しくお話すると、不動産購入申込書、買付証明書などいくつかの呼び方がありますが、いずれも「購入の意思表示」になります。「この物件をこの金額、この条件で購入します」ということを、売主様や不動産業者に表明するものなのです。そしてこの申込書をもって契約に向けた準備が進むことになり、たくさんの人が動くことになります。キャンセルしてもペナルティはありませんが、自分以外の多くの人に迷惑がかかることを考えると、「とりあえず」と軽い気持ちで書くものでないことはお分かりいただけるのでないでしょうか? 

不動産は高い買い物です。失敗したくないからこそ、気に入った物件に出会えばテンションが上がったり、逆にそれならもっといい物件があるんじゃないかと迷ったり、本当にここに決めていいのか悩んだり…と色々な思いが沸き起こって、通常とは少し違う心理になってしまいがちです。そこに過度の煽りが入ると冷静に考えることができなくなってしまう方もいます。

でもそういう時こそ冷静になって、他に検討している人がいる、いないは関係なく、ぜひご自身でしっかり判断するようにしましょう。その上で「絶対に購入したい!」となった場合は、少しでも早く申込を入れるようにしてください。

当社では「購入されるのであれば申込をしてください」とお伝えしています。とりあえずといった状態の申込をお受けしても、後からその物件を本気で希望するお客様が来たら困りますし、売主様にしても本気で希望するお客様を逃し、とりあえず申込した人がキャンセルすれば、販売機会の損失になってしまうからです。

余談になりますが、物件を案内しているお客様から「何人くらい見学にきてるんですか?」と聞かれることがあります。物件によっては「まだ全然来ていないんです…」ということもあるのですが、「かなり来ています!」と嘘をつくわけにもいかないので、私は言いづらくても本当のことをお伝えするようにしています。もちろん逆もしかり。例えば「今日だけでお客様が3組目です」といった場合もきちんとお伝えします。

「他にも検討している方がいらっしゃいます。とりあえず申込して押さえましょう」にはお気をつけください。